身近に潜む訴訟のリスク

(2011/09/10)
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身近な法律に関わる情報を発信してきたこの連載も、今回で最終回となります。長い間お付き合いいただいた読者のみなさま、本当にありがとうございました。最終回のテーマは「サービス残業」です。

景気のよい業界なんてあるのだろうかと思うほど、日本中に不況の嵐が吹き荒れている昨今。景気の悪化にともない、私たち弁護士に相談が持ち込まれることが増えているのが、このサービス残業に関わる問題です。
「サービス残業が増えて困っている」という労働者側からの相談も、「社員から残業代のことで訴えられる」と悩んでいる経営者からの相談も、いずれも増加傾向にあります。そういったトラブルを未然に防ぐためにはどうすべきか、今回は経営者の視点からお話したいと思います。


年々増加するサービス残業の問題

未払い残業代にまつわる相談が急激に増え始めたのは平成20年以降のこと。米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズの破綻によって、世界的な金融危機が引き起こされた「リーマンショック」が大きなきっかけになりました。
東京労働局より今年春に発表された「平成22年賃金不払事案(申告事件)の処理状況の概要」によると、賃金不払い事案件数は過去10年で2番目の高水準だとか。3,970件と過去最高であった前年と比較すると1,056件のマイナスながら、依然、賃金不払事案の件数は非常に多い状況にあるといえます。

それでも、「厳しい経営状況をみんなに理解してもらっているから、うちは大丈夫」と思っている経営者は少なくありません。確かに今は我慢してくれているかも知れませんが、不景気による人員整理や給与カットなどをきっかけに社員の不満が一気に爆発することも……。未払い残業代に関する内容証明が突然送りつけられる可能性も少なくないのです。


筆者紹介

伊藤 勝彦 Ito Katsuhiko
弁護士
弁護士法人みお代表
1973年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業の年に司法試験合格。弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士など総勢50名を擁する総合法律事務所の代表を務める。交通事故による後遺障害問題・企業法務など専門性をとくに要するリーガルサービスも提供している。
http://www.miolaw.jp/

『サービス残業という地雷』 (伊藤勝彦著)

 

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